2019年4月21日日曜日

*4月のお話* 水色の月



私の一日の楽しみは、おやつとお茶の時間です。
お仕事の疲れも、心が傷ついたときも
お茶の時間だけは全部忘れて、よい時間であってほしいです。

この絵を描いた春の日は、私はとても悲しくつらい気持ちでいました。
一年も経って、なぜだったかはもう覚えていません。
うっすらと、悲しい気持ちだけが残っています。
(悲しみってそんなものだったりしますね。
そのときは永遠に辛く、苦しいままだと思い込んでいますが。)

外のきらきらと光る陽気も、咲き誇る花たちも
柔らかな風も揺れるカーテンも、甘いおやつも
みんな完璧な幸せを表しているのに
私の心だけは、墨をたらして濁った水が
もとの透明さには戻れないように
悲しみを取り除くことができませんでした。
私以外の陽気で幸せな世界が、私の心の暗さと濁りを引き立たせて
いっそう辛くさせるようでさえもありました。

ゆえに、私は悲しみが溶ける絵を描きたかった。
現実では叶えられないものを、絵は描くことができる。はず。
こんな花が側にいてくれたら
こんなお菓子を味わえたら
もしかしたら溶けるかもしれない、溶けてくれ!
と思うような祈りとして。

この絵の背景のお話、
昨年の原画展でお世話になったお店の店主さんにたずねられて
ぽろりとお話したのですが
「明るい雰囲気の絵だと思っていたら
まさかそんな意味が込められていて…
ある意味、宗教画ですね」と深く受け止めてくださって。
宗教画。そうかもしれない、と思います。

私の絵を観てくださる方には、
深い悲しみを隠していらっしゃる方も多くいらして
すべてはそんな方への、私なりの応援歌です。
現実には誰しも確実に、悲しみも、苦しみも、醜さも直面しますが
何かしら、小さくても、光になれればと祈っていつも描いています。

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この絵の原画は手元にありますので
購入ご希望の方、ご検討されたい方はご連絡くださいませ。
サイズや詳細などをお伝えいたします。
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2019年4月4日木曜日

髙橋農園さんのロゴデザイン




君津で農園をしているお友達、髙橋農園さんから
美しいカラーが届きました*
ありがとう!

とても立派だなあ。
思わずなでてしまう、なめらかな質感。
子どものころに、カラーの形状にとてもひかれて
描く練習をしていたけれど
大人になっても変わらずぐっとくる。

他にもお庭に咲いていたものを分けてくださって
テーブルの上が、かつてないほど
春のパワーにあふれている!
自分で花を選ぶと淡い色ばかりになるので
選んでいただいたものを飾るというのも
とても面白いな。家中に春の香り。

髙橋農園のロゴは
私がデザインをさせていただいたものです。
こうして使ってもらっているのを見たり
手にとるとまたうれしくなります。
髙橋農園さんは、睡蓮や河骨を作っている
かなり珍しい農園です。