2016年9月1日木曜日

ツバキ文具店



小川糸さんの『ツバキ文具店』を読みました。
主人公のポッポちゃんは「手紙屋さん」、
勝手に自分に重ねて読ませていただきました。
「理想の私」「未来の私」と言ったらよいのか。

小川糸さんの新しい本が鎌倉を舞台にしていると聞いて、
久しぶりにハードカバーを買いました。
名久井さんの装丁も、しゅんしゅんさんの絵も好きだったので
これはきっと買って後悔することはないだろう、と。
本屋さんで、紙を確かめ、インクの色をみて
それだけで好きになって、
もったいなくて毎日少しずつ読みました。

ポッポちゃんは私の大好きな町、鎌倉で
ひとりで文具屋さんと代筆屋さんをして生活しています。
お願いされたお手紙のために文面を考えて
ふさわしい紙を選んだりインクを選んだり…。
やさしい人たちに囲まれながら、
穏やかで無理のない等身大の生活をのんびりと、
でもいろいろなことを考えて、過ごしています。

鎌倉の風景が目に浮かびます。
においまで、してくるような気がします。
実際にある私の好きなお店や場所も出てきます。
お取扱店のmolnさんのそばの、sahanさんも!
気になっていたけどまだ入ったことのないお店や、
初めて知ったことも。
今度行ってみよう、やってみようと思いました。
八幡宮で「おはらひさん」いただいてみよう、とか。

tegamiyaは、代筆こそできませんが
お手紙を書くひとの「舞台装置」として、
カードや便せんや封筒を作っています。
近しいひとに気持ちを届けるときに
書いているひとも、読んでいるひとも
ひととき特別楽しく過ごせますように、
ずっとこころに残りますようにと。

手紙やカードなど「言葉を書くこと」の魅力に
気づいているひとは、私のまわりにはたくさんいます。
速すぎる現代のスピードに疲れているひとも…。
私自身をふくめて。

速くなくていい、ゆっくり考えていいよと
この本は言ってくれている気がします。

ポッポちゃんも作中で「手紙屋さん」と呼ばれていましたが
tegamiyaも、だれかとだれかをつなぐこと、
のんびりじっくりとする時間を
届けていける存在になりたいと思います。



0 件のコメント:

コメントを投稿