2024年11月5日火曜日

闇と光のユールカード 読み方例 《随時更新中》

闇と光のユールおみくじカード、これまでたくさんの方に
お手にとっていただきました。ありがとうございます。

「このカードの意味は何〜?!」
「ベルテインの読み方例と同様にユールの読み方ももっと知りたい!」
とよく声をかけていただきましたので
こんな読み方はどうかな?というものを掲載してみます。

これは一例ですので
手にした瞬間、絵や言葉から
あなたが感じたものを優先してください。
自由に読んで楽しんでいただきたいです。

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1.
冬至は、夜が一年のうち一番長くなり太陽の光が弱まります。
次の日からは少しずつ昼が長くなることから
太陽が新しく生まれ変わって
暖かく新鮮な光が復活していくように感じられます。

同じように私たちも
新しい段階へ足を踏み入れるときは
小さな身で一人暗闇のなかにいるように
感じるものなのかもしれません。

今までの自分では力がたりないようで
今まで頼りにしていたものもなくしてしまったようで
前に進んでいるように感じられなくなってしまうかもしれません。

でもそれは
これから未知の豊かな時間を進めていこうとしている前触れ。
受けとった小さくても新しい光を信じて
前を照らして進んでみましょう。
少しずつで大丈夫です。


2.
あなたの視野が広がり、できることも広がりそうです。
いつか、と思っていたことも今なら実現しやすく
助けてくれる存在も現れるかもしれません。
夢をかたちにするために、まずは動いてみましょう。
どんどん行動を広げてゆけば
さらに新しく見えてくるものがあります。
世界は思っているよりずっと広いのです。

やってみたり行ってみたりした先で
意外な自分自身を知る、ということもありそうです。

軽やかに、伸び伸びと大らかな気持ちで
あなたの世界を広げてみてください。


3.
小さな身体で重たいものを運んでいます。
目立たずひそやかながら凝縮された
見かけよりずっと重い、大切なものを。

周りからみたら
ゆっくりで慎重な動きをしているだけで
そんなに重いなんて気づかれないかもしれない。

だけど人知れずとっても頑張っているあなた。
日々の歩みから学び、鍛えられて
そうして紡いできたたしかな時間は
いつか必ずあなたに味方するのです。


4.
丘の上から、水瓶座での木星と土星の重なりを
みつめたあの特別な冬至の夜。
それは次の20年の始まりを教えてくれる
合図だった。

木星も土星も、地球から離れているのに
目に見える大きな惑星で
占星術では社会的に大きな影響のある星だと
言われています。
それが約20年に一度重なって見える
グレート・コンジャンクションという現象、
キリストの生まれた日に現れたベツレヘムの星も
この現象だったのではないかという説もあるそう。

20年あれば…一時代。
生まれたての赤ん坊は大人になる。
新しく始めた仕事はベテランとなる。
家を建てれば、土地に根ざした生活となる。
人生のうち、いくつか数えられるくらいの
何かを大きなことをひとつ成し遂げる、
そんな時間の長さです。

あれから、何を築いてこれただろう。
道半ばなら、始まりの気持ちを
振り返るのによいでしょう。
これから始めようとする人は
大いなる作業の始まりの時と心得ましょう。

思い描く理想に向かって進むのです。

5.
この絵はいろいろな見方ができる気がします。

それぞれ太陽、月、地球を表しているりんご
すべてがひと枝、一人の人間のなかにあって
どれを表現して生きてもいい
どれが好き?どれにする?と
選ぶことを言っているようでもありつつ

全てが私への贈り物
豊かな実りを全部おいしく食べてしまおう
それは内的な統合なのかもしない
私とともに全てが一体である、そう感じたとき
外の世界に心が開くかもしれない

もしくは
この世界は、あなたに必要なものを
実はちゃんと差し出してくれている
ということかもしれない、とも。
生かされている、ならばどう生きよう。

などなど。
どちらにしてもとても豊かなもののイメージです。
それに気づいて、持っているものを
どんなふうに生かしていこうか
そんな場面のように思います。


右を向いているのは未来、これからのこと
左を向いているのは過去、すでに持っているもの
こちらを向いているのは今のこと

とか、ときどき考えたりしています。
(描くときに意識してたかどうかはわからないのですが…
絵は、頭にイメージが浮かんだときには
もう向きは決まっていることが多いです)


6.
人はどうして、音の連なりに
感情を感じるのでしょう。

古い音楽を聴いて記憶が瞬時に思い出されることも
行ったこともないはずの景色が思い浮かぶことも。
誰にも埋められない、言葉にならない寂しさも
音楽が溶かしてくれることもあります。

美しい旋律に、ひととき身を委ねてみましょう。


音楽のことを考える時、
海王星の支配する魚座と同時に、対向の乙女座を思う。
インスピレーションを受け取るだけでは音楽は表現できない。
地上にて誰にでも伝導する「音」にするために必要な
地のエネルギー、例えば正確に繰り返すビート(数字)、
絶妙なタイミングで響かせる魅力的なリズム、
楽器の調律などの管理、作品を読み解く理解力。
地の力、特に乙女座の力はつきつめると
まじない・魔術的な力(自然魔術と言ったらいいのか)に
繋がっていく気がなぜかする。



7.
命は、輪のふちを歩いているのだと思う。
その節々に祝祭は訪れる。
今を祝い、過去と未来を思うために。

命を奪う弓となり、毒のある種をもつイチイ、
その木は終わりと結びつけられて墓地に植えられた。
だけど赤い果実は甘く、誰かののどを潤す。

終わりも始まりも、来るべきときに自然の祝祭として訪れる。
その大いなる不思議を想う冬至祭を迎えよう。
そして再び、歩き始めよう。

8.
このカードを引いたのなら、光の人と出会うのかもしれない。
側にいる人が光の人であることに気づくのかもしれない。
もしくは、あなたがだれかにとって光の人となるのかもしれない。

12月13日は聖ルチアの日。ルチアの語源は「光」。
古くは冬至、闇から生まれる新しい光を祝う日。
スウェーデンのルチア祭では
白い天使に扮し星や火を掲げた子どもたちと祝うのだそうです。



9.
本当のやさしさがわかるのは、暗い場所にいるとき。
苦しみなかにいるひとに差し伸べる手の美しさを知るとき。

本当の光は、闇のなかからしか生まれない。
その二つは離れない。結びついたもの。

あなたがもし暗い場所にいるなら、今こそみつけてください。
本当の光を。美しい人を。やさしい手を。

彼女が持っているのは矢車菊。
ギリシア神話ではケンタウロス(半人半馬)の賢者ケイロンが
傷を癒すのに薬草として使ったという。
海のように青い花が癒えた者を遠くへと導く。



10.
あなたの心の窓辺に
昨日と明日を照らすような、知恵と夢がみつかる本を。
今日を照らすような、心温まる花を。

小さな喜びと想像力とともに毎日を歩んでいけば
サン・ジョルディ(ゲオルギウス)の物語のように
大きなものごとに立ち向かう勇気と知恵、そして愛も
生まれてくるかもしれません。

窓から見える山は大きく見えるかもしれませんが
ふんわりした羊が「大丈夫だよ」というような目で
こちらを見ている気がします。


11.
人の想いの力は、心許ないようでいて
思っているよりきっと強く。
風や雨が、心のなかの情熱を消せないように。
大切なものを守りぬけるようにと
想いを込めて祈り、夜を過ごしましょう。


アトリエの窓の外にあった大きなイイギリの木は
木の下の家や人々を守るように枝を優しく広げた、大らかな木。
激しい嵐がやってきた時、その木になったたくさんの美しい実が
落ちてしまわないようにと私は夜に祈っていた。
朝が来て嵐は去り、町もイイギリの実も
ほとんどが無事でほっとした。
その時に思いついて描いた絵です。
イイギリの木はもういないけれど、ときどき思い出す。
たくさんのことを教えてくれた偉大な木だった。


12.
月が毎日形を変えてゆくのを見ても不安でないのは
またもとに戻ることを知っているから。
雪の日の寒さに耐えられるのは
また春が来ることを知っているから。

月や季節のリズムほど一定ではないけれど
私たちの心も身体も日々のできごとも
振り返ればそんなところがあるでしょう。
時が経てば自然と解けてゆくこともあります。

自然も、自然の一部である私たちも
そんな満ち欠けを繰り返す、と
思い出してみましょう。


13.
このカードは、心に強いもの、燃えるものを
持った人にしか出ないようです。
その人は悩んでいることが多いです、
自分の持っているものがあまりにも激しいことに。

しかしそれは"必要だから"
持たされたのではないでしょうか。
壊せなかったものを壊すために
新しくつくりあげるために。

隠したり封じ込めたりせずに
よいと思うもののために
その大きな力を発揮しましょう。


竜、とくに赤い竜は物語のなかではいつも嫌われ者。
凶暴な恐ろしい存在、それは比喩で
人間が理想の在り方に近づいていく過程で
必ず出会い対峙するもの…自分の一部
のことではないかしらと思います。

私は竜を描くが好き。私の心のなかにもいるから。
そしていつか仲良くなりたいと思っている。
もしかしたら誰の心にも、いるのではないかしら。
(暴れ具合、顔の出し具合に違いはあれど)


14.
健やかな命を育む無花果を贈られたあなた。
今、手の中にあるもの
受け取ることができた喜びと感謝を祝い
じんわり味わうような、穏やかなカードです。


15.
もしも、がんばっても思い通りにならず
どうしたらいいか道がみつからないということがあっても
焦らなくて大丈夫なようです。

今は夜の時間。
明るくなれば道はまた見えてきそうですから
きっと大丈夫。

そして夜には夜にふさわしい過ごし方があります。
心のなかにあるものを静かな中でゆっくりと確かめたり。
眠って身体を休めたり。
夢のなかで、待っている光を
その光の中にある自分を想像したり。

そうして夜を大切に過ごすうちに
いつのまにか新たなものが宿って
ご自身のなかに育っていることに気づく
朝が来るでしょう。


二十世紀の錬金術師フルカネリ(とされるも正体不明)
が書いた『大聖堂の秘密』では、
新しいものを発生させる条件は「太陽光の完全な欠如」とある。
命も種も「発生」させる場所は暗くなくてはならないと、
闇や夜が必要なのだと。

私がこの本を手にしたのは「闇と光のユール」を
生んだ後だったけれど、闇が育むものについて
書かれていてうれしかった。

(答え合わせのようなできごとは
偶然におきた不思議ってことではなくて、
蜘蛛の巣みたいな網で世界がつながっている
その糸の振動をキャッチしている、
過去に出会った糸と未来に出会う糸が
つながっているからかもしれない)


16.
真実を知りたいと思うなら、
今こそまっすぐに向き合ってみましょう。

本当のことはいつも優しくはない。
この世界には、知らないほうが良かった
ということもあると思うのです。

ですが、心から大切にする人やもののことを知らないなんて。
心をごまかしてヴェールをかけて生きるなんて。
誰よりも深く知りたい、愛したいと思うなら
怖がらずに追い求めてみる、
その勇気がこの一杯にはきっとあるはずです。


nektarは神話のなかの神々の赤い飲み物。
飲むと不死が手に入ると言われる。
人間にとっての不死(永遠)のものは愛のことかしら…
と思い描いたもの。

何かを口にして中に取り込んだら全てが変わってしまう…は
物語によく登場しますが、現実のなかにも
そういったことはあると思っていて。
勇気が必要で、決めるのは私、だけど
そうしたいと思う心に偽りなければ、
どうかまっすぐに行動することを選べたら。

お気づきの方も多いと思いますが、
ユールのカードは対となるカードが存在するものがあり
同じモチーフのものが黒(闇)と白(光)で
描かれているものがあります。
16の黒い杯は、次のカード17の白い杯が対となっています。
黒い杯は深く結びつくもの、白い杯は解き放つものとして。
黒い杯は蠍座的で、白い杯は水瓶座的だなと個人的には思っています。


17.
もしも大切にしてきたものであっても
あなたが進もうとする時に
重さを感じるものがあるなら、放しましょう。

人は生きているだけで
少しずつ背負うものが増えていきます。
それは悪いことだけではなく
幸せな(幸せだった)つながりでもあるがゆえに
抱えた重さで立ち止まってしまうことがあります。

放してもきっと大丈夫です。
あなたを自由にするために。
空へ軽やかに飛ばすイメージで。
植物は大地から離れられない、という
掟を破って天に近づいた
不思議なヤドリギのように。






18.
賢者は静かに世界を観察します。
観察から得られた知識と
たくさんのものをみて育てた感性によって
最善の行動を選ぶために。

私たちも今一度、目を凝らし、耳を澄ましてみましょう。
冷静に世界を観察しましょう。
星の瞬きの音すら聴こえるくらいに心を静かにして。


夜になると窓辺に聴こえるフクロウの声を聴いて。
彼らが何をみつめて思っているのか想像しながら描いた絵です。


19.
心身を清めましょう。
冬至の日の柚子湯のように古いものを洗い流し
まっさらな心持ちとなるように
自分を整えましょう。

次には場を清めましょう。
常緑の木蔦は魔除けになるとの言い伝えがあるそうです。
結界を張るように身の回りを整えましょう。

さあ、新しい光を迎え入れる準備が整いました。
勇気を持って、一歩踏み出してみましょう。


20.
どうして今ここにいるのか、
一番最初に宿した決意を思い出しましょう。
そしてその決意を行動に移す時がきたようです。

力をつけるために旅を続けてきましたが
まだまだ不足を感じたり
理想の姿からは遠いかもしれません。
しかし今、最大限の、できる限りの力で
本当にやりたいことをやってみましょう。

赤は内に燃えるエネルギーの色。勇気の色。
小さな身体の馬でも、神聖な樫の木の子。
力いっぱいに走ってゆきましょう。


ケルトの神聖な木Oakから生まれた仔馬の
イメージで描きました。
私たちは小さくても神聖な火を内に育てている、
それは「希望」のようなもの。

願いをこめて彫られたダーラナホースのように
木から生まれた小さな赤い子が自分の力を発揮する。
あなたのなかにも、こんな子がいるのではないでしょうか。

最後の1枚、旅を続けてきた馬の行先は
よく知ったはじまりの場所なのかもしれません。
しかし以前のあなたとは違い、新しい物語を紡ぎます。


*Oak(オーク)について
植物学的にはヨーロッパで言うOak(オーク)の日本語訳は
樫(カシ)ではなく楢(ナラ)が正しいそうです。
(もっと厳密だとヨーロッパナラ、日本の楢とも少し違うようです)

調べたところ、どちらもブナ科コナラ属のどんぐりのなる木で
日本語では寒いところに生える落葉樹が楢
暖かいところに生える常緑樹が樫。
日本では両方生えているけれど、寒いヨーロッパに生えるOakは
すべて落葉樹、つまり楢に近いとのこと。

明治期にOakは「樫」と誤訳され、以降長年に渡り
物語や童話、絵画名などの文化面で
Oakは「樫」と訳されてきた様子。
ヨーロッパ(特に寒冷な地域)から来たものの訳に
「樫」と書いてあればOak(ヨーロッパナラ)のことを指すようです。

私も「楢の木」より「樫の木」のほうが物語性を感じ
耳馴染みもよく、その日本語の響き、感覚でこの表記にしていますが
Oakと樫では落葉の様子、葉っぱのかたち、硬さも違うと
わかりましたので、いつかより正確な意味の
「オーク」に直すかもしれません。






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