2019年2月9日土曜日

*2月のお話* 水色の月



ストーブの熱はゆっくりと、心まで届く気がする。

子どものころから火がとてもこわくて、
マッチすら使えなかった。
何でも燃やしてしまう危ないもので
大人が使うものだと思っていた。
だからか、火は自分では扱えない強い力で、
今でもキャンドルの小さな火にも
安らぎと同時に、畏れと敬いに似た気持ちを感じる。

一方で、寒い朝に起きることが苦手な私は
絶望の気持ちで温かなふとんから出た後、
早起きの母がすでに着けているストーブの側に
ぶるぶるしながら寄り、その熱に
ものすごく救われた気持ちになったものだ。

いつも乗せられていた薬缶の湯気と音、
沸いたお湯を何に使うか決まっていない。
朝ならお茶をいれたり
夜ならお風呂や湯たんぽに入れたり。
風邪をひいたときは朝にもう一度湯たんぽを作って
ふとんに帰ったり。

ストーブとお湯は
火そのもののように強くもこわくもなく
日常のなかのただただ優しい
ゆっくり流れる時間と安らぎの象徴。

今の私の家にはストーブはない。
それでもときどき思い出す、ストーブと薬缶。

この絵は、大げさでなく日々起こる絶望のあとの
救いと優しさと安らぎを集めた絵です。
慌ただしい毎日を過ごす人に、届いてほしい熱。


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この絵の原画は手元にありますので
購入ご希望の方、ご検討されたい方はご連絡くださいませ。
サイズや詳細などをお伝えいたします。
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