2019年5月20日月曜日

*5月のお話*水色の月


5月の絵は、実はとても悩んで生まれました。

制作中もよく聴いている好きなピアニストの方が
鎌倉の洋館でのコンサートをされて
音楽、それが含まれる空間
その空気が心に残りました。
ピアノの向こうの大きな窓に
曲に合わせてさまざまな風景が
見えるように感じて。
お散歩が好きなピアニストさんは
自然のなかで出会うものを
(この日はたしか、カエルの話をしてました)
楽しまれているみたいで
音楽も、森のなかを歩くようなので
納得なのです。

5月の絵を描こうとイメージをしたときに
ふと"5月の風"という言葉がよぎりました。
これもまた、子どもの頃演奏した
思い出の曲のタイトル。
ならば何か音楽をテーマに描きたいと思った時に
上の記憶が降りてきました。

けれど、音のイメージがすばらしすぎて
描きたくてもうまく描けなくて…
時間をかけて、何度も何度も塗り直して。

私は、自分の心にささる音楽に出会うと
いつも風景が目の前に広がるのですが
(みなさんはどうでしょうか)
目に見えない世界でイメージした景色を
目に見える絵にすることは
その音楽を愛すれば愛するほど
難しく感じます。
音楽は私には表現できないぶん
憧れの気持ちが強いということも
あるかもしれません。

描き続け、迷子になって
わからなくなってしまったとき
絵を額にいれて飾ってみたら
なんとなくあのときの洋館の窓のように
森のところが光って見えたので
この絵は完成ということにしたのです。

この絵を特別に好きだと言ってくださる方が
今ではたくさんいてくださいます。
"メイポールの下で"の期間中は
葉っぱ小屋さんにて原画を
展示販売してもらっています。
どうぞご覧ください。

*この絵は売約が決まりました。
心を寄せてくださったみなさま、ありがとうございました。




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