足元に咲く花のように、小さな淡い絵があります。
気づかれず通りすぎてしまう人もきっと多いですが
見つけてもらえたらとてもうれしく。
子どもの頃「季節」という言葉を知ったときから
それが好きでした。
いつも花の絵を描き、夏には海の絵を描き
冬には雪の絵を描き(今とおんなじ…)
季節が変わるごとにただその変化
色、におい、風に感動していました。
目覚めたばかりの若い緑色が、くるくると時計のネジを巻いたら
止まっているように見えた針が進みだす。
あのこが咲き、次にあのこが咲き、あのこは散り。
気持ちより先に、季節は変わってゆく。
時間のヴェールがかかって
「昨日」も「悲しみ」も霞んでゆく。
毎日の「ありがとう」と「さようなら」。
昨年の春、それぞれいつもよりずっと早く咲き始める花たちに
不安な気持ちになりました。
このまま季節がなくなってしまうのではないかと。
時計が狂って、ずっと速く進んでしまう。
たぶん私たちのせいで、急速に変わっていってしまう自然、
とてもこわい気持ちもしました。
今年はどうでしょうか。
もしかしたらスピードが変わってゆくことも
自然のシステムの一部なのかもしれない、
私たちも本当は自然の一部なのだから。
と、少し落ち着いてみられてはいます。
美しい季節が失われないように願いながら
この絵を描いたようにも思います。
時間よ、急がずに。でも、止まらずに。
どうかやさしいスピードで。
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この絵の原画は売約となりました。
気にかけていただいた皆さま
ありがとうございました。
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気にかけていただいた皆さま
ありがとうございました。
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