2011年3月6日日曜日

紙、そして印刷と戯れる 東東京ギャラリー巡り  

気になる展示会、水天宮前〜京橋〜銀座、まとめて行ってきました。

ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション
「南桂子生誕100年記念展 きのう小鳥にきいたこと」

数年前から気になっていた、作家「南桂子」。
じっくり見るのは初めて、ずっと若い方だと思っていました。
そのくらい「今」っぽさのあるかわいらしい絵です。
小さく弾む音が聞こえてきそうな、そして少し物悲しげな
詩的な銅版画に、谷川俊太郎さんなどの詩が合わせて展示されています。

色やかたち、感じ取れる背景に共感するものがたくさんあります。
南さんは私にとって懐かしい人のようでした。
まるで、母の若い頃の写真を見るような感覚、
「知っているものの知らない一面」を覗くような感覚。
皆川明氏のアートワークにも通じるものがありました。

会期が3/31まで延期されたので、ぜひぜひ足を運んでみて下さい。



毎回気になるINAX ギャラリーの小さな展示会。
ミニマムながら、独創性のある(私好み、は世間的にはどう?)
企画が催されます。
今回も古い写真などの展示物が、ところどころに施された
100%オレンジのイラストや特色が惜しげなく使われた
図録やDMのグラフィックワークが気になる。

船って、ロマンがありますよね。
みたこともない国へ行くぞ!って人々が心躍らせて乗るもの。
夢のカタチが豪華客船へのデザインに表れて、
当時のワクワク感が伝わってきます。

対照的に、村野藤吾が一生懸命作ったものが、戦争のために
人々から奪われて、戦機解体されたり沈没してしまったりして
無念で残した言葉に切なさを感じてしまいました。





おすすめされた展示会。エディトリアルデザインの展示です。
ずっと前から買おうかどうか悩んで、高いからやめよう、と
思っていた本にまたしても遭遇してしまいました。
5分くらい悩んで、また買わなかったけど…
ギャラリー・イヴの表紙のデザインが完全に好みでした。




あまりこの人のことはよく知りませんでした。
けれども、デザインワークがとてもたのしい。

私も一応、昼の仕事は商業デザインに携わっているのですが
ビジネスでデザインをする上では、お決まりの筋書き
(コンセプトがどうの、顧客がどうの、ターゲットがどうの)
を語る能力を求められます。
最近どうもこれに嫌悪感があって…というか、
学んだが故にそのことに気づいてしまったというか。
この人はソレを放っておいて、紙と印刷を、
人間の持ちうる感覚を楽しんでいる。
そんなふうに受け取れて、好きになりました。
やわらかい感性を感じるものが、私は好きです。
みなさんはどうですか?



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