2023年12月13日水曜日

【原画作品】睡蓮 Water lily



睡蓮 Water lily
80,000yen taxin

-水 春 東 虹-

原初の海に訪れた夜明け
初めての花が開き
巡礼者が生まれた


Prima Materia
始まりの場面
私たちは一人もこぼすことなく
「彼女であり彼」の子どもたちである

古代エジプトより青いロータス(といってもスイレンの一種らしい)は
朝に開き夕方に閉じる姿から、目覚めや蘇りの神話が生まれたり
「黄色の目が朝に開く」と言われたりするそう。
睡蓮や蓮はつぼみの形状から卵のようだし
世界の始まり、混沌の海から最初に目覚めるものの象徴として
青のような白のような、そして朝日を受けて金色でもある睡蓮の絵を描いた。

フィンランドの叙事詩「カレワラ」の天地創造のことを絵の前でお話した。
(私は澁澤龍彦著『胡桃の中の世界』でこの存在に触れた)
原初の海を漂う女神が水面に膝を出した時、鴨がやってきて
巣を作り卵を産んでその卵が割れて天地になった…という内容に
インスピレーションをもらっている。

この絵では卵は水の元素にふさわしく真珠とした。
貝はコンポステラの巡礼者の印でもある。

私たちは生まれた瞬間から巡礼の道を歩むのだと思う。
危険や悲しみや苦悩を乗り越えて。何を目指して歩むのかは人それぞれとして。

「始まり」の絵ではあるが、同時に完成=終わりでもあるように感じる。
タロットの「世界」や、杯10に通じるような。
道の最後は再びこの朝焼けの黄金の海へ辿り着く、のだろうか?

フレームは、マットなほんのり卵みたいな色でラフにハンドペイントしている。

ボール紙/アクリルガッシュ、アクリル絵の具、水彩
木製フレーム(アクリル)ハンドペイント

絵部分のサイズ 117×152mm
フレームのサイズ 241×293×26mm



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